混乱する2つのマルフ

例えば、今年(2015年)1月から産休・育休をとり、今年12月から職場復帰をした場合、「配偶者控除」を受けることができる可能性はかなり高いでしょう。

勤め先から支給される給料は1か月分(+冬の賞与)なので、年間で103万円以下になるからです。

さて、この場合、給与所得者の扶養控除等申告書(マルフ)はどうやって書いたらいいのでしょうか?

勤め先から「27年分」と「28年分」のマルフを渡されて混乱されている方に向けて、書き方についてご説明します。

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平成28年分の年末調整
に対応した記事を、次のとおり作成しました。

→「「所得の見積額」に年収を書くのはバツ!正しい計算方法と書き方をご紹介


記事の内容を充実させていているので、よろしければ、新しい記事をお読みください。

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前提として、
夫:田中一郎さん
妻:田中花子さん(27年1月から産休・育休⇒27年12月復帰)
とします。

平成27年分は「今年の見込み」を書く

花子さんが年収103万円以下のため、一郎さんの方で配偶者控除を受けようとすれば、次のように「一郎さんのマルフ」に書くことになります。
27マルフ

ここで、「平成27年中の所得の見積額」にどの金額を書くかですが、当たり前と言えば当たり前ですが、今年は平成27年なので、今年の「所得の見積額」を書いて下さい。

そうすると、花子さんは1月から産休・育休を取って12月に職場復帰ですので、1月から11月まで休んでいたとすれば、勤め先からの給与は12月の給料と冬の賞与があるかどうかでしょう。

外資系で月収100万円を超えるような場合でもなければ(まれにいるんですが)、まずその金額が103万円を超えることはありません。


例えば、12月の給料が20万円、冬の賞与が5万円の見込みのだったとしましょう。

収入は25万円の見込みとなります。


・・・しかし、ここに書くのは「平成27年中の所得の見積額」です。

「収入」ではなく「所得」です。

配偶者控除・配偶者特別控除もそうですが、給与のみもらっている場合は、「65万円」を引いた金額を書いて下さい。

なお、25万円は65万円を引くとマイナスになってしまうので、「0円」となります。

というわけで、「平成27年中の所得の見積額」には「0円」と書いて下さい。
27マルフ2


既に書いてあっても「修正」してOKです。

さて、実はそういっても混乱してしまう場合があるのは、この平成27年分のマルフは、もらったときに「既に記載がある」のも原因かもしれません。

どういうことかというと、昨年も同じところに勤めていれば、あるいは、今年現在の勤め先に入社したとしても、入社時にこの書類を書いているはずなので、何らかの記載があるはずなのです。

例えば、昨年の年末調整の時に、次のように書いたとしましょう。
27マルフ3
この記載は、2つの点で誤りがありました。

1つ目は、平成27年1月から産休・育休になるのに、平成26年中と同じくらい収入があると思って「平成27年中の所得の見積額」を「280万円」と書いてしまっています。

2つ目は、先ほど「収入」と「所得」は違うということを書きましたが、分からないまま書いたので年収280万円の見込みをそのまま書いているため、「収入」の金額が記載されているのです。

ちなみに、この場合は収入が141万円(所得が76万円)を超えているので、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。仮にこのように間違えて書いていたとしてもダメージはありません。


しかし、平成27年分は、先ほど見たように、本来であれば、12月の給料と賞与の見込みが25万円だったわけです。

したがって、所得の見積額は「0円」です。

明らかに金額が違いますよね。

このままでは、配偶者控除が一郎さんの方で受けられるのに「受けられない」と給与計算の担当者に思われて年末調整が行われてしまいます。


というわけで、修正をしてください。
27マルフ5
2重線を引いて、正しい金額である「0」円と書きます。

画像は分かりやすいように赤色にしていますが、「黒」のボールペンで修正するのが普通です。

このとき、訂正印を押していただく方もいますが、勤め先から指示がなければ自由です。
27マルフ6

ちなみに、私の場合は、1番下の欄に「0歳」の子どもの名前がある場合には、この見積額が違っているのではないかと疑います。

関連記事 共働きでも産休・育児休業中は配偶者控除を要チェック

平成28年分は「来年の見込み」を書く

さて、もう1枚、書類がありますね。
28マルフ

レイアウトが変わりましたが、基本は同じです。

では、この平成28年分では、花子さんは、どのような金額を書けばいいのでしょうか?

・・・実はその前に、考えることがあります。

平成28年中は、職場復帰してどのように働くかです。
  • フルタイムで働く
  • 時短勤務にする
  • パートタイムにする
など選択肢があるかと思います。

もし、年収141万円を超える予定であれば、配偶者控除はもちろん、配偶者特別控除も受けることができないため、そもそもこの欄に「あなた(奥様)の名前」を書く必要はありません

もちろん、念のため書いておくのはいいですが、目安としては月換算で給料が12万円(通勤費除く)を超える方は、書いても書かなくても配偶者控除も配偶者特別控除も受けられないので、結果は同じです。

もし、来年の年末調整の時に見込みが変わっていれば、「平成28年分」の書類をまた書き直せばいいだけです。


一方、年収141万円以下の予定の方は、年収の見込みの金額から65万円を引いた金額を書いておいてください。


なお、それ以外の箇所については、「平成28年分」を参考に説明していますので、こちらの記事を参考にしてみて下さい。

次のページへ 「平成28年分 給与所得者の扶養控除等申告書」の書き方を徹底解説

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2015年(平成27年)分の年末調整に関する記事をまとめました。
2015年年末調整特集