配偶者控除の廃止は早くて2018年1月からか。

参議院議員選挙が7月に終わって、しばらく衆議院議員選挙もないので、安定した政権運営が行えます。

そのため、2017年(平成29年)度税制改正のメインテーマは、賛否両論が多い「配偶者控除の廃止」です。

早ければ2017年1月から廃止されるのでは、という意見もありますが、税制改正は毎年3月に国会で成立するので、配偶者控除を1月からさかのぼって廃止するのは無理があります。

そのため、早くとも2018年1月から廃止と考えるのが自然といえます。


配偶者控除は廃止されたとしても、いきなり増税になるというわけではありません。

現時点では、代わりの制度(有力なのは「夫婦控除」)ができると言われています。

ただし、夫婦控除が使えない部分については増税の可能性がありますが、それでも影響は、年間で5万円前後がほとんどでしょう(このあたりは、夫婦控除自体が決定ではないので、詳細が明らかになり次第、記事にしたいと思います)。


しかし、配偶者控除よりも金額的に影響が大きな話があります。

それが、「配偶者手当(配偶者に対する扶養手当)」の廃止です。
  スポンサーリンク


1番影響が大きいのは「配偶者手当」をもらっている子どもがいない世帯

え? 税金じゃないの?と思われるかもしれませんが、公務員や大企業にお勤めの方は、どういう基準で手当をもらっているか即答できますか?

人事院の「平成27年職種別民間給与実態調査」によると、従業員に家族手当を支給している会社は76.5%(全体の4分の3)で、そのうち約9割は配偶者に手当を支給しています。
民間手当の支給状況
そして、そのうち約85%は収入制限があり、実に7割が所得税における「配偶者控除」の枠(収入制限年103万円)を参考にしているのです。

つまり、配偶者控除の廃止に伴って、配偶者に対する手当の見直しが行われる可能性が高いのです。

共働き子育て世帯はメリット大!時代を先取りしたトヨタ自動車は配偶者から「子」へ

トヨタ自動車は、今年1月から段階的に、手当のうち、トヨタ自動車の社員の妻か夫が働いていない場合や、年収が103万円以下の場合に払っている分(月19,500円)を打ち切ることにしました。

一方で基本的に子ども1人あたり月5,000円だった手当は月20,000円と4倍に増えます。また、介護が必要な妻や親がいる世帯への手当も月20,000円に引き上げられます。

私はトヨタ自動車の社員ではないので、細かい点では異なるところもあるかと思いますが、以上をまとめると、次のようになります。
トヨタ自動車の手当
夫婦と子どもの2人の場合は、片働きの場合であっても、共働きの場合であっても、手当が増えていることはわかるかと思います。

注目したいのが、子どもがいない夫婦の世帯です。

月19,500円が打ち切られても、子どもがいないため、月19,500円が減るだけです。

年間で23万4,000円がなくなる計算になります。

段階的に導入するのは、おそらくこのような配偶者手当を今までもらっていて、子どもがいない世帯に対する配慮かと思われます。

国家公務員も「配偶者」への扶養手当を減額・廃止の方向へ!

今年8月8日、人事院は、国家公務員に対する「配偶者」への扶養手当を2017年(平成29年)4月1日から見直し、配偶者は6,500円減額し、逆に子どもは3,500円増額し、また、一定以上の役職者については廃止するという方針を打ち出しました。
配偶者に係る扶養手当の見直し(平成29年4月1日から段階実施)

民間企業及び公務における配偶者に係る手当をめぐる状況の変化等を踏まえ、以下のとおり見直し

・ 配偶者に係る手当額を他の扶養親族に係る手当額と同額まで減額。それにより生ずる原資を用い て子に係る手当額を引上げ(配偶者及び父母等:6,500円、子:10,000円)

・ 本府省課長級(行(一)9・10級相当)の職員には、子以外の扶養親族に係る手当を支給しない。 本府省室長級(行(一)8級相当)の職員には、子以外の扶養親族に係る手当を3,500円支給

・ 配偶者に係る手当額の減額は、受給者への影響をできるだけ少なくする観点から段階的に実施し、 それにより生ずる原資の範囲内で子に係る手当額を引上げ

税制及び社会保障制度の見直しの状況や民間企業における配偶者に係る手当の見直しの状況に応じ、 国家公務員の配偶者に係る扶養手当について、必要な見直しを検討
出典:人事院「平成28年人事院勧告( 勧告日 8月8日(月))

このように、国家公務員もトヨタ自動車と同様に、子どもがいない世帯の負担を増やして子育て世帯への手当てを厚くする方向へ向かおうとしています。

【一般職員の場合】
公務員の手当て

・・・こうしてみると、トヨタ自動車の配偶者手当の廃止のインパクトはすごいですね。

地方公務員・民間企業も要注意!

トヨタ自動車と国家公務員の話を出しましたが、こういうのは、流れがあって、まず、大きなところから変えていくことによって、だんだんと「じゃあ、うちも」となってきます。

特に地方公務員は、国家公務員の影響をうけますので、手当について何らかの見直しがかかることでしょう。

民間企業でも、同じようにこの機会に見直そうという動きがすでに出ています。


ただし、正直なところ、親の介護の問題、保育園・待機児童の問題などによって、働くことをあきらめている方も多いわけですから、こういう手当を見直す前に、「そもそも働ける環境の整備」を積極的に行わなければ、いきなり後ろから突き飛ばすような制度変更は、単に世帯収入が減るだけになる、というのが正直なところです。


・・・ちなみに、我が家は夫婦共働きで子ども2人ですが、勤め先から一切手当をもらっていないため、日本全体が配偶者手当を減額・廃止して、子どもへの手当を厚くしたとしても、勤め先から手当がもらえるとか、そういうこともなさそうです(涙)

いいんです。我が家は働けるだけ幸せ者です。

「配偶者手当」をもらっている人は、情報のアンテナを立てよう!

最後になりましたが、見直しをするかは勤め先次第ですので、情報のアンテナは立てておくにこしたことはありません。

ハッキリ言って、難しくてよくわからないものほど、あなたの家計に大きな影響を与えます


だから私は、少しでも難しいものをわかりやすく伝えられないかと思って、このブログでは「難しくてよくわからない制度」について、記事を書いています。


今後も、ブログ界の池上彰さんは無理だとしても、少しでも多くの方に、難しくてよくわからない制度の正体を知っていただき、自分と家族の役に立てていただけるようにがんばって記事を書いていきますので、私にできることがあれば、遠慮なく、コメント欄やメッセージからお送りください。