太陽光発電の売電収入と税金まとめ

2015年(平成27年)に太陽光発電を家やカーポートの屋根に設置した方へ、「太陽光発電と税金」に関するよくある質問をまとめてみました。

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Q1:太陽光発電の「売電収入」自体に税金がかかるのですか?

A1
太陽光発電の売電収入から「必要経費」を差し引いた金額(雑所得)に対して、原則として税金がかかります。

売電収入-必要経費=雑所得

売電収入は通帳に入ってくる入金額そのものですが、雑所得はそこから別途支払っているものを差し引いた金額ですので、必ず、「売電収入 > 雑所得(いわば儲(もう)け)」となります。

Q2:太陽光発電の「売電収入」について「所得税の確定申告」をしなくていいのはどういう場合ですか?

A2
一般的に、次の場合にはサラリーマンの給与は年末調整で所得税の計算が完了して、太陽光発電の売電収入について、「所得税の確定申告」をする必要はありません。つまり、「所得税」が節税になります。
  1. 給与総額が2,000万円を超えないこと
  2. 住宅ローン控除、医療費控除等によって確定申告(還付申告)をしないこと
  3. 給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円以下であること
代表的なものとして、3つをあげました。1つでも該当すれば、申告は必要です。

つまり、家を建てたり買ったりして住宅ローン控除をする最初の年は、「2」に該当しますので、必ず太陽光発電の売電収入が1円でもあれば、確定申告に入れないといけないんですね。ちゃんとやってますか?

ちなみに、「住民税の確定申告」については最後のQ12をご覧ください。

Q3:A2で「給与所得・退職所得以外の所得」とありますが、具体的にはどういうものがありますか?

A3
次のようなものがあります。
  1. 太陽光発電の雑所得(これだけで20万円超えれば申告必要です)
  2. 生命保険などの一時所得(支払った保険料を差引き後)
  3. 公的年金・企業年金などの雑所得
なお、A1に書いたように、「雑所得」や「一時所得」など、「所得」の合計で考えますので、入金額そのものではありません。必要経費を差し引いた後で考えます。

Q4:太陽光発電の「必要経費」にはどんなものがありますか?

A4
次のようなものがあります。
  1. 太陽光発電システムの減価償却費
  2. 太陽光発電システムの購入に対する借入金(ローン)利子
このほか、全量売電(全量買取)の場合には、パワーコンディショナーのための電気代が経費算入できそうですが、ふつうの電気代と一緒に請求されると区分不可能なので、あまり現実的ではないように思います。

また、パワーコンディショナーが壊れた時の交換費用なども対象でしょうが、それは10年くらい後の話でしょうか。

Q5:太陽光発電システムの減価償却費とはなんですか?

A5
太陽光発電のためには、ソーラーパネル(太陽電池モジュール)、パワーコンディショナーなどの設備が必要となりますが、このような設備は、一定期間に少しずつ必要経費(=減価償却費)にしていきます。

法律上は、通常、「17年」で毎年少しずつ減価償却費にすることとされています。

しかし、屋根と一体になっているソーラーパネル葺きの場合は、「機械装置」ではなく「建物」と同じものとみて、例えば「木造住宅」なら建物の耐用年数が「22年」と税務署から言われたという情報が寄せられています。

税務署に確認するのも1つです。



例えば、170万円なら1年間で17分の1の10万円となりますが、実際には「0.059(定額法の場合)」を掛けて計算します。

170万円×0.059=100,300円でほぼ同じですね。

初年度は月割計算が必要になりますので、2015年4月に稼働したならさらに9/12を、2015年12月に稼働したなら1/12を掛けます。

170万円×0.059×9/12=75,225円
170万円×0.059×1/12=8,358円

ただし、余剰売電(余剰買取)の場合には、「自家消費(自分で使った分)」と「売電」に同時に使うので、全部を必要経費にすることはできません。Q6で説明しているように、自家消費分を除く必要があります。

一方、全量売電(全量買取)の場合には、そのままでOKです。

Q6:余剰売電の時に「自家消費」と「売電」に分ける基準はありますか?

A6
唯一絶対の基準はありませんが、合理的な基準を使って計算するのが一般的な考え方です。

例えば、
(方法1) 電力会社からの明細を利用する
(方法2) 太陽光発電モニターで自家消費分と売電分を1年分集計する
DSCN6355
のような方法が考えられます。

他にもあるかもしれませんが、いずれにしても適当な割合で「えいやー」とやるのではなく、「自家消費30%、売電70%」とした場合に、どうしてそんな割合になったのかがちゃんと説明できるようにしましょう。

外部記事 売電が課税対象になるというのは本当ですか?

※1番下に似た趣旨のことがもっと詳しく書いてあります。

例えば、売電割合が70%なら、100,300円×70%=70,210円が必要経費となります。

Q7:借入金(ローン)返済の元本部分は必要経費になりませんか?

A7
雑所得で必要経費になるのは、利息部分のみです。

「業務用資産(=太陽光発電設備)」の購入のための借入金など、「業務のための借入金の利息」は必要経費となります。

「なぜ元本部分は必要経費にならないの?」と聞かれると、「お金を借りた時に「売上」になりますか?」と逆に質問するようにしています。

つまり、200万円のローンを借りたら200万円の収入があるとは考えないのに、毎年20万円返済したら、20万円の必要経費にしたいと考えるのはおかしいですよね。

当然ですが、対象になるのは太陽光発電システムの購入のための借入金利息だけです。住宅ローンの利息はまた別物です。

ただ、家も太陽光発電設備の分も両方を1本の住宅ローンでまかなっていると計算がややこしくなりそうですね。住宅ローン控除はどうするのだろうかとか、ややこしくなるので、それ以上は税務署にでもご相談ください。

また、A6と同様に、余剰売電の場合には、自家消費分と売電分は分ける必要があります。

Q8:電力会社から買った電気代(買電)は必要経費になりませんか?

A8
自分で使うため電気代ですので、必要経費にはなりません。

ただし、全量買取の場合は、パワーコンディショナーなどに対する電気が必要となります。その分は必要経費になると言えばなるのでしょうが、どのように通常の電気代と分けるかが難しいですね。

もし、最初から電気代の明細が分かれていればいいのですが・・・。

Q9:太陽光発電設備の設置によって、国から補助金をもらいました。この補助金には税金がかからないのでしょうか?

A9
国から受ける補助金は、所得税の課税対象となり、一時所得として次の計算をします。

(収入金額-その収入のための支出額-特別控除50万円)×1/2

補助金の場合は、「その収入のための支出額」は普通ないので、50万円以下なら

(50万円-特別控除50万円)×1/2=0

で一時所得はなさそうですね。

このほか、都道府県や市町村の補助金があると、場合によっては合計で50万円を超えるかもしれませんし、満期保険金などの他の一時所得がある場合も微妙です。

ただし、国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書という書類を確定申告の際に出すと、補助金を設備に使う場合は収入としてそもそも考えないという特例があります(所得税法第42条)。このあたりは、気になるならぜひ税務署にご確認ください。


Q10:太陽光発電システムが300万円で、補助金が30万円出ます。先ほどA5で見た減価償却費の計算上、補助金は影響がありますか?

A10
次のようになります。

(1) 国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書を提出した場合

補助金を収入に入れないことと引き換えに、補助金相当分を引いて減価償却費の計算を行います。

つまり、全体的に減価償却費が減ってしまうわけです。

(300万円-30万円)×0.059=159,300円

(2) (1) 以外の場合

補助金をもらうときは必ず補助金相当額を引いて減価償却費の計算を行うような説明をよく見かけますが、(1)の場合だけと考えます(所得税法第42条第5項、所得税法施行令第90条)。

 300万円×0.059=177,000円

Q11:太陽光発電の雑所得は他の所得や損失と損益通算ができますか?

A11
雑所得は他の雑所得の計算上生じた損失と損益通算ができます。それ以外の所得と通算することはできません。
(雑所得の中でも損益通算が制限されるものはあります。)

ただし、他の雑所得で損失が生じる場合って、そんなにないんですけどね。

以前は一部のFX取引の損失が損益通算の対象(総合課税の雑所得)でしたが、税制改正があって、今年から制度が変わってしまった(申告分離課税の雑所得)ので、損益通算はFX取引内でしかできません。

Q12:「住民税の確定申告」はどうなりますか?

A12
多くの方がご存知ないようですが、「所得税」では確かに年末調整で終わって確定申告が不要な場合がありますが、そんなときでも「住民税」の確定申告が必要な場合があります。

その代表が「給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円以下で確定申告しなかったサラリーマン」です。

そうすると、太陽光発電で売電収入を得ている限り、毎年、全員が所得税又は住民税の確定申告が実は必要なのですが、あまり認知されていません。

手続きについては、お住まいの市町村にご確認ください。
住民税申告書
出典:豊田市



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