後付けは「17年」でOK。では、屋根一体型は?

この記事で100%の答えは出ませんが、考え方の流れと問題提起だけでも書きたくて、整理しました。

読まなきゃよかった!と思う人続出なので、「17年」にした人は、読まない方がいいかもです。


国税庁の公式見解は「屋根一体型」を想定してる?

国税庁の質疑応答事例という公式見解の「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」では、
その耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し、17年となります。
とあり、私も何も疑問を抱かずにこの「17年」で今まで確定申告をしてきました。

問題は、この前提は「自宅」に設置した「太陽光発電設備」であり、最初から屋根一体型を想定しているとは限らない点です。

ハッキリとは書いていないものの、「後付け」を想定した取扱いと読むのが正しいと考えます。

したがって、この質疑応答事例では、太陽光発電設備は、屋根、つまり「建物」の一部ではなく、建物とは切り離された「機械及び装置」として、耐用年数を考える仕組みになっています。


もし、屋根一体型の太陽光発電設備が「建物」に該当するのであれば、木造住宅と同じですから、耐用年数は「22年」です。

※なお、私は一条工務店で家を建てているので、木造住宅の前提で書いています。
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固定資産税は屋根一体型は「建物」として課税対象

ここで思い出すのが固定資産税です。

ソーラーパネル葺きの屋根部分は、固定資産税の計算対象となっています。

屋根一体型の場合には、固定資産税がその分だけ増税になってしまいます。

つまり、固定資産税の世界では、太陽光発電設備は「建物」の一部としてカウントしていることになります。
屋根一体型太陽光発電
出典:飯田市「太陽光発電設備に係る固定資産税(償却資産)の申告について」

これを見ると、「屋根に一体の建材(屋根材など)として設置」した場合には、太陽光パネルと架台については、「家屋」とあり、建物としてカウントされています。

一方、
後付け太陽光発電
「架台に乗せて屋根に設置」する後付けの場合には、「償却」とあって、これは建物ではなく「機械及び装置」としてカウントしていることが分かります。

つまり、少なくとも固定資産税の世界では、屋根一体型か後付けかで、取扱いが全然違うということになります。

税務署の「確定申告で誤りやすい事項」は「建物の耐用年数」? 

さて、ちょっと嫌な予感がする中で、こんな記事を見つけました。
○太陽光発電設備に係る減価償却 (参考)

○太陽光発電設備の耐用年数は基本的には17年(別表第2 機械及び装置の耐周年数表>55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの>その他の設備>主として金属製のもの)。

○太陽光発電設備のソーラーパネル部分を悠物の屋根と一体化させたいわゆるソーラーパネル葺住宅の場合は、屋根材として使用されるソーラーパネルが建物の一部を構成するものであることから、別表第1の「建物」の各耐用年数に該当する。なお、屋根材としてのソーラーパネルとは別個に設備されるものであるが太陽光発電設備の一部であるパワーコンディショナなどの部分については、原則として「機械及び装置」 (耐用年数17年)に該当する。

ただし、契約書等において当該「機械及び装置」部分が「建物」 部分と区分されず、取得対価の額を、建材型ソーラーパネルとその他の部分に合理的に区分することが困難な場合には、一般に「機械及び装置」の耐用年数に比して「建物」の耐用年数が長いことから、主要部分である建材型ソーラーパネルとその他の部分とを区分せずに設備全体を「建物」として減価償却を行うこととして差し支えない。
解説すると、

(1)
基本的には17年

(2) 
屋根一体型(ソーラーパネル葺き住宅)は建物の各耐用年数
この場合でもパワーコンディショナーなどの部分は原則17年でOK

(3)
ただし、(2)の場合でそもそもパワコンがいくらかわからない場合は、無理に分けずに全部建物の各耐用年数にしてもOK

といってます。

「差し支えない」なんて、税務署的な表現ですね。

・・・ふつう、パワコンは分からないので、(3)なのでしょうか。

そうすると、建物の耐用年数ですから、木造住宅の場合は、「22年」ということになります。

ちなみに、そもそもこの記事を書くきっかけは、税務署に行ったら「22年」だと言われたかた、電話して聞いたら「22年」といわれた方がいた(ご迷惑をかけるといけないので、リンクは避けます)のですね。

結論とそれに対する反論

【結論】

というわけで、これらの情報をまとめると、屋根一体型は建物と同じ耐用年数である「22年(木造住宅の場合)」することになる・・・ってこと?


【反論1】
税務署の「確定申告で誤りやすい事項」とあるが、本当に税務署ではそんな文書があるの?

確かにおっしゃる通りで、大阪国税局管内だか広島国税局管内だかの資料でそんなものを見たような記憶もありますが、忘れました。また聞いておきます。

ちなみに同じようなことを書いている税理士さんの記事を他に見つけました。
太陽光発電装置のソーラーパネル部分を建物の屋根と一体化させたいわゆるソーラーパネル葺住宅の場合は、屋根材として使用されるソーラーパネルが、建物の一部を構成するものであることから、「建物」の耐用年数(40年など長期にわたる)を採用して減価償却をすべきものとされています
まあ、理屈は同じですね。

ただ、逆に言うと、この2つ以外、根拠となるサイトやブログを見つけられませんでした。


【反論2】
全量売電でも固定価格による買取期間は20年であり、22年はそれより長い。耐用年数としてふさわしくないのではないか?

なるほど、確かにお気持ちは分かるのですが、耐用年数とは固定価格による買取期間のことを考えて設定されているわけではないので、ふさわしくないかもしれませんが、しかたがないかと思います。


【反論3】
ハウスメーカーの資料では「17年」と書いてあるが?

どうもそういう資料もあるみたいですね。もし、その根拠が示されていたら、ぜひ教えてください。国税庁の質疑応答事例を除きます。


【反論4】
そもそも「屋根材部分」と「太陽光発電部分」はわけられるの?

一条工務店で建てた方なら、日本産業からの明細には、「太陽光発電システム」などと書いてあるかと思いますが、あれは「太陽光発電設備部分」と「屋根材部分」がわかれているのでしょうか?

なにしろ、ソーラーパネル部分は太陽光発電設備であり、かつ、屋根でもあるわけですから、そもそも別個に考えるのは不可能です。

・・・しかし、これは耐用年数の問題ではなく、「取得価額」の問題のような気もします。

<定額法の場合>
減価償却費=取得価額×償却率

※償却率は耐用年数に応じたもの

「太陽光発電設備部分の取得価額が区分できないこと」と、「その部分の耐用年数が何年であるべきか」は、この場合はリンクしないように感じますが、いかがでしょうか。

そもそも全体が建物の耐用年数とされるのであれば、各パーツの取得価額がいくらであっても、木造住宅なら「22年」ということになるわけですから。

私の結論:「17年」のままでいきます。

私の場合は、平成24年に確定申告をした時から25年、26年とすでに3回、「17年」で確定申告していますので、このまま続けていきます。

今さら修正申告をして過去にさかのぼることもなければ、27年分から修正するつもりもありません(税務署から直せと言われない限り)。


不安な方は自分の住んでいる地域を管轄(かんかつ)している税務署に聞いて、ぜひ税務署の方のリアクションをお教えくださいm(_ _)m


3か所に電話しましたが、どっちつかずの微妙な対応で困りました。

国税庁の質疑応答事例などで、屋根一体型の場合の耐用年数についてもハッキリ書いていただければ、この記事の価値はないかと思いますが、そういう方たちに届け、と思って、あえてブログで問題提起をさせていただきました。

まあ、実務上は後付けと同様に屋根一体型も耐用年数「17年」でやっていることが多いかと思いますが、いろいろ考えて、17年を選ぶか、22年(木造住宅の場合)を選ぶかは、 あなたのご判断次第です。

以上、neronaでした。