毎年、この時期になると、「年末調整と確定申告って、何が違うんですか?」というご質問をいただきます。

この記事では、年末調整と確定申告の違いについてご説明します。




「年末調整」とは?

会社員など給料やボーナスをもらう人は、毎月の給料やボーナスから「所得税」をあからじめ天引きされています。

これが、「源泉徴収」です。

会社は、源泉徴収した所得税を毎月10日までに税務署にあなたの代わりに納めています。

しかし、この源泉徴収という仕組みは、ちょっと「多め」に天引きしているため、1年間が終わった時点、つまり「年末」に「調整」をする必要があります。

これが「年末調整」です。
年末調整

例えば、

1年間に源泉徴収した所得税の合計が12万円

本来払うべき所得税が11万円だとすると、1万円、多めに払い過ぎたことになります。

このため、1万円を「還付」してもらえます。

還付されてお得な気がしますが、あくまで自分が払い過ぎた分なのですが、やっぱり、還付されると嬉しいですよね。

逆に、本来払うべき所得税が13万円だとすると、1万円不足していて後日「徴収」されて、とてもブルーな気持ちになります。


この仕組みは、第2次世界大戦が終わった昭和22年(1947年)から始まったものです。

当時は税務署の職員が不足していたため、給与所得者については、源泉徴収をした上で、会社が年末に配偶者や扶養親族などを確認し、所得控除を計算して、税額の精算手続きまで行うようになりました。

それから、60年以上も続いていて、おそらく、これからも続くことでしょう。

年末調整でできる「控除」は?

年末調整がすぐれている点は、多くの「控除」が会社によって計算できる点です。

まず、年末調整でできる控除を確認すると、

【所得控除】

  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 勤労学生控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • 寡夫控除
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除

【税額控除】

  • 住宅ローン控除(2年目以降)
となります。

給与所得者の所得税の計算式は、次のとおりです。

(給与収入-給与所得控除)-所得控除=A

(A×税率)-税額控除=所得税

所得控除は、税率をかける『前』の部分を減らします。

税額控除は、税率をかけた『後』の部分を減らします。

年末調整でできない「控除」は?

一方、年末調整ではできないのが次の控除です。

【所得控除】

  • 医療費控除
  • 雑損控除
  • 寄附金控除

【税額控除】

  • 住宅ローン控除1年目
  • 寄附金税額控除
なお、「ふるさと納税」も寄附金控除の一種で、年末調整ではなく確定申告で行うものですが、今年4月からワンストップ特例が使える場合には、確定申告は不要になりました。



確定申告で、多くの人に関係があるのは、「医療費控除」ですね。

また、家を購入した方は、最初の年だけ「住宅ローン控除」の確定申告が必須です。

「ふるさと納税」も、ワンストップ特例が使えない場合(6か所以上寄付をするなど)には、やはり確定申告が必要です。

では、次に確定申告についてみてみましょう。

「確定申告」とは?

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までに得たすべての所得(収入から必要経費などを引いたもの)を計算し、それに税率をかけて本来支払うべき所得税を計算し、税務署に対して申告(確定申告)や所得税の納付をする行為です。


年末調整との最大の違いは、

「自分」

で確定申告・納付をするということです。

年末調整と確定申告

年末調整では、

「会社」

が代わりに申告・納税してくれました。

独立して、個人事業者・フリーランスになってみるとわかりますが、実は、会社というのは税金の計算・申告を代わりにしてくれる「税理士」のような役割を果たしているのです。

あなたが当たり前のように会社にやってもらっていることは、個人事業者・フリーランスになると、自分でやるか、税理士にお金を払ってやってもらうことになります(場合によっては10万円以上かかったりします)。

そういう意味では、給与所得者って、けっこうお得ですよね。

年末調整したのに確定申告するの?


せっかく、会社が税務署に申告・納税の代わりをしてくれて、手元に「給与所得の源泉徴収票」がやってきたのに、どうして確定申告するの?と思うかもしれませんね。

実は、年末調整をしたとしても、

確定申告が必要な場合



確定申告で得する場合

があるのです。

例えば、給与所得者については、次のような場合があります。

【確定申告が必要な場合】

  • 給与収入が2,000万円を超える場合
  • 2つ以上の会社から給与をもらっている場合
  • 不動産収入や配当収入や副収入があり、必要経費等を引いた後の所得が20万円を超える場合

【確定申告で得する場合】

  • 医療費控除を受ける場合
  • 雑損控除を受ける場合
  • 寄附金控除・寄附金税額控除を受ける場合(ふるさと納税も)
  • 住宅ローン控除を初めて受ける場合
  • 年末に結婚したものの配偶者控除を受けなかったなど、年末調整で受けられるものを受けていない場合
  • 27年中に退職したものの年末までに再就職せずに年末調整を受けられない場合
なお、「2つ以上の会社」で働いて給料をもらっている方は少ないかもしれませんが、あくまで1つの会社で見れるのは自分のところの給料だけですから、2つ以上の会社で働いていると、自分で確定申告をする必要があります。

「2つ以上の会社」というと、 1月から4月までA社で働いて、その後転職して6月から12月までB社で働く場合も確定申告が必要ですか?という質問がよくあります。

この場合は、B社の方でA社の情報を引き継いで年末調整できるので、確定申告は不要です。

あくまで「同時期」に2つの会社で働いている時期がある場合です。


いかがでしたでしょうか?


「年末調整」は、いわば会社があなたの代わりに「確定申告」をしてくれる仕組みです。

といっても、「扶養控除等申告書」などの書類にちゃんと記載しなければ、会社ではあなたが節税できるかどうかわからない場合もあります。

上手に使えば楽に払い過ぎた税金を還付してもらえるので、ぜひ「2015年 年末調整特集」もお読みいただき、知らなかったばかりに損をする、というようなことがないようにしましょう。
2015年年末調整特集

2015年(平成27年)分の年末調整に関する記事をまとめました。 

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