我が家が「所得補償保険」に入っていない3つの理由

ご質問をいただきました。
はじめまして。nerona様。
いつも参考にさせていただいております。
とてもためになることが多く助かっております。

一つご質問があるのですが、 団信のかわりについてです。

もし死亡せず、失明などの重度までにならず、働くことができなくなった場合のリスクについてどのようにお考えですか?

就業不能保証も視野にいれているのですが・・・。
(略)
tomoさん、ご質問、ありがとうございました! あなたのおかげでこの記事は生まれました。

なお、「nerona様」じゃなくてお気軽に「neronaさん」くらいにしておいてください^^


さて、ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険」から有名になった気がする就業不能に対する備えですが、我が家では民間の保険に入っていません。

その理由は、

・「会社員」である点
・「貯金」がある点

の2つと、最後に紹介する理由を合わせて3つです。


そもそも、会社員の人は、既に就業不能に備えた保険に入っていることを、ご存じでしょうか?

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「所得補償保険」とは?

死亡や重度障害の場合には、生命保険で備えることができます。

しかし、そこまではいたらない病気やケガになり、働けない状態になると、保険金はないのに例えば、住宅ローンの返済や生活費の支払が必要となります。

なお、医療保険は入院や手術による支出に備える保険ですから、医療保険でもこれらの支払には使えません。高額療養費制度も同様ですね。

そこで、この収入(所得)を補うことを目的として、就業不能になると一定金額を受け取ることができる保険が所得補償保険です。


しかし、ちょっと待ってください。

あなたはすでに、2つの最強の保険に入っていませんか?

最強の保険1 :健康保険

会社員で健康保険(全国健康保険協会管掌健康保険・組合管掌健康保険)に加入している人なら、「傷病手当金」というものが最長1年6か月、給料の3分の2だけ出ます(正確には、1日につき、標準報酬月額の30分の1に相当する額の3分の2なのでイメージとはちょっと違いますが)。

ざっくりいうと、次の条件を満たすともらえます。
  1. 業務外の病気やケガの療養のための休業
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
病気で休業中に健康保険の被保険者とその家族を守るために作られた強力な制度です。


ただし、健康保険なら、自営業やフリーランスも国民健康保険に入ってるのに、なんでやざわざ「会社員」って言っているの?と思った方もいるかもしれませんが、国民健康保険で傷病手当金を用意している自治体はまずありません。

そのため、一般的には、自営業やフリーランスには傷病手当金がありません

ちなみに、会社員だとしても、社会保険が完備されていないで国民健康保険だと・・・。

自営業やフリーランスなど国民健康保険の人は、就業不能に対する備えは社会保険完備の会社員の人より考える必要があるということになります。


最強の保険2:厚生年金保険

給与明細から毎月かなりの金額をもっていくのが厚生年金保険ですが、これを老後の年金のためとしか思っていない方が多く、他に2つの機能があることが忘れられています。

1つは遺族年金、もう1つが障害年金です。

そもそも「年金」という言葉は、毎年一定の金額がもらえるもののことで、反対語は「一時金」です。

決して、年金といえば老後にしかもらえないものではないのです。


遺族年金も障害年金も、老後よりむしろその前にパワーを発揮します。


障害年金には、障害基礎年金障害厚生年金がありますが、厚生年金保険は、両方をカバーしています。
障害年金のイメージ
障害年金と障害手当金
出典:日本年金機構「障害年金ガイド(平成28年度版)」

しかも、イメージを見ていただくとわかるように、障害厚生年金の方が障害の程度が3級までカバーされており、さらに軽い場合でも障害手当金(一時金)がもらえます。


自営業やフリーランスの方は、国民年金保険だけですから、「障害基礎年金」の部分しかカバーされません

この場合も、就業不能に対する備えは会社員よりも考えておかなければならないといえます。


自分の会社の制度も知っておきましょう!

そして、3つ目は公的な社会保障ではありませんが、例えば、上場企業なんかは手厚い制度があったりするので、自分の会社の制度は確認しましょう。

生命保険もそうですが、自分の会社の制度のことを知らずに保険会社から保険に入って、実は、会社の団体保険が保険料も安くて保障も手厚かったというのはよくある話です。

実際、保険会社の社員や銀行員は、バカバカしくて保険にはほとんど入らず、安い自社の団体保険に入っているということも多いので、面倒だと思わずに、確認しましょう。

それが結果的に大きな節約や安心につながる可能性があります。

なお、言い忘れていましたが、公務員の方はもっと手厚い場合が多いので、もっと保険はいらないかもしれませんね。

ライフネット生命の「働く人の保険」の致命的な欠点

さて、冒頭で出てきた就業不能保険の1つですが、個人的には、入る必要性を感じません。

その理由は、「うつ病」に対応していない点です。
給付金をお支払いできない場合について(代表例)

・就業不能給付金は、所定の就業不能状態となってから最初の180日間は、お支払いできません。

「うつ病」などの精神障害が原因の場合や、「むちうち症」や「腰痛」などで医学的他覚所見がみられない場合は、支払いの対象外です。

・就業されていた元の仕事(現職)に復帰することができない場合に、給付金が支払われる訳ではありません。あくまで所定の就業不能状態であることがお支払いの条件となります。

・責任開始時点前の病気やケガが原因の場合は、たとえ、約款所定の就業不能状態が180日を超えて継続したとしても、お支払いできません。

・支払限度金額である1億円を超えてはお支払いできません。

・正しい告知をせずに契約した場合、告知義務違反として契約が解除され、給付金を受け取れない場合があります。
6年前のライフネット生命の副社長さんのブログ記事(就業不能保険とは? )には、
●うつ病など、精神疾患を対象外としているのは?

うつ病などの人が増えているのは理解しているのですが、いまは

・長期に渡って信頼できるデータがないこと(どんどん増えているので)

・モラルリスク(精神疾患が心配な人ばかりがネット経由で大量に加入して、保険料算定の基礎が害されてしまう)を防ぐ確立した手立てがないこと


などから、発売当初は精神疾患を除外することにしました。

しかし、社会的ニーズがあることは理解していますので、将来は、検討していきたいと思っています。
と書かれており、その難しさが物語られているのですが、会社員の場合、特にこのうつ病を含む精神疾患で長期の休業をしている方が増えているため、これがカバーされていないとなあ、というところです。

・・・ええ、私の職場では、特にこの精神疾患が多いです(年に1人以上。。。)。

6年たってもきっと、難しいのですね。

「社会保険完備の会社員」でかつ「生活防衛資金」が備えに

所得補償保険を検討したい人は、自営業やフリーランスの方です。

しかし、会社員であっても、傷病手当金は3分の2ですし、1年6か月ですから、不足する部分も出てくるでしょう。

そういう意味では、それを補う形で、所得補償保険を検討することも考えられますが、私の場合は、生活防衛資金として、2年分の生活費を貯金しています。

とりあえず、何かあっても3年6か月はこれでしげます。

仮にうつ病になったとしても、治す時間がこれで取れます。


ちなみに、2年分に根拠はありません。

でも、生活防衛資金として、最低でも生活費の半年分は欲しいところだと個人的には思っています。

複数の収入=共働き、不動産投資やネット収入の検討も

さて、ここからは少し話が外れてきますが、要するに、働き続けられないことへのリスクの対応は、何も保険だけにしかできないことではありません。

究極的には、自分が働かなくてもなんとかやっていければOKです。

共働き世帯なら、夫婦のどちらかが働けなくなっても、なんとかなる生活にしておくのも1つです。

不動産投資をして、家賃収入を持っておくのも1つです(ただ、このことをセールストークにしてだまされることもあるので難しいですね)。

身体は動かせなくても在宅でできる仕事やパソコンとインターネット、あるいはスマートフォンでネット収入を獲得するという方法もあるでしょう。

ちなみに、世の中には、身体の障害で割りばし一本しか動かせないのに、インターネットの世界で収入を得ている方もいます。


つまり、「複数の収入」を作ることを意識することです。


複数の収入を作り出せる状態にしておけば、「働けなくなる」ということは、その収入の1つがなくなることにすぎません。


最も危険な状態は、一家の大黒柱が働けなくなったら収入源がゼロになる状態です。

だから、「保険をもらうこと」だって、立派に複数の収入をもらうことの1つです。所得補償保険だって、条件さえ合えばOKです(ライフネット生命以外にもありますから、いろいろ探してみて下さい)。


ただ、保険ですべてをまかなうだけが、解決策ではありません。

その点だけはお忘れずに。

というわけで、私が所得補償保険に入っていない本当の理由は、
  1. 社会保険完備の会社員という身分を有効活用
  2. 生活防衛資金を2年分貯めて安心を確保
  3. 複数の収入を意識して、働けなくなっても収入が続く仕組みを構築
の3つです。


・・・まあ、うちの場合は、子どものことがあるので、お金はあってもマンパワーがなくなれば、破たんしかねないので、何もないことを祈るばかりですけどね。


なお、例えば、会社員だけど、生活防衛資金が貯まっていないから不安ということであれば、貯まるまでの期間、所得補償保険に入るというのもありかもしれません。

ご参考まで!