「扶養」は、税金と社会保険の制度が難しいので、実は奥が深いです。 

でも、難しいから無理だとあきらめていたら、あなたは間違いなく損をします。

この記事では、税金と社会保険で異なる意味を持つ「扶養」について、あなたが損をしないために説明しています。
  スポンサーリンク




問題点1
同じ言葉はきっと「同じ意味」があると思い込まされている。


まず、

「私は扶養に入れますか?」

とあなたが質問したとき、その扶養は

税金=所得税・個人住民税の扶養
(配偶者控除・扶養控除)


のことなのか、

社会保険=健康保険・年金の扶養

のことなのか、

で異なります。


だから「私は扶養に入れますか?」と質問するときには、

何の扶養のことを聞いているのか、それが重要になります。


「何の扶養」の話をしているのですか?

「税金の扶養」ですか?

「社会保険の扶養」ですか?



ではここで、私からクイズを出しましょう。

厚生年金保険で「子ども」は「扶養」になるでしょうか?


・・・はい、「なれません」よね。

厚生年金保険に子どもを扶養にするという考え方はありません。


国民健康保険に「子ども」と「親」を「扶養」に入れることはできるのでしょうか?


・・・はい、「できない」ですよね。

国民健康保険に扶養なんて考え方はありません。


でも、言葉が同じだから、何でもかんでも「扶養」だと思いこまされてしまうのです。


会社員の健康保険と厚生年金保険は、社会保険という点では同じですが、扶養の範囲は異なります。

会社員の健康保険と自営業の国民健康保険も仕組みが異なります。



でも、「会社員の健康保険」の扶養は、きっと他も同じだと思い込まされている人は、

健康保険の扶養は子どもも当然対象だから、厚生年金保険もきっと子どもも扶養になっているに違いないと思って、

「なぜ大学生の息子は扶養になっているのに国民年金保険料を支払わないといけないの?」

とか、

会社員の健康保険は配偶者の分も保険証をもらっていたから、

「自営業になったら妻が扶養にならないってどういうこと?」

とか、

思うかもしれませんね(世帯主に妻の分も加算されて支払っています)。


・・・だから、難しいのです。


そして問題なのは、「会社員の健康保険」の話をしているのに、聞いているのが「自営業の健康保険」について知りたい人だったりするので、会社員も自営業も「健康保険」って言ってるんだから、同じだと思う点です。

健康保険といっても、前提となる制度が違うことを知らなければ、正しい情報は得られません。


「扶養」という言葉は、1つではありません。

「健康保険」という言葉は、1つではありません。

場面によって「意味」が異なります。


そのことを、忘れないで下さい。

理由1
制度が全然違うのに、「同じ言葉」が多すぎるから。


問題点2
「130万円の壁」を「103万円の壁」と同じようなものだと勘違いさせられている。



103万円の壁と130万円の壁は、テレビでもときどき見かけます。

なんとなく、同じものだと考えているかもしれません。



103万円の壁=税金の話


130万円の壁=社会保険の話

だから同じだとは思っていないよ、と思うかもしれませんね。


・・・そんなレベルの話ではないのです。


では、もう1つクイズです。


今年6月に退職しました。1月から6月まで給料を200万円もらっています。

専業主婦になるため、これから収入はありません。

「私は夫の扶養に入れますか?」



103万円の壁=関係あり

103万円の壁により、所得税・個人住民税の配偶者控除(配偶者特別控除も)は使えません。


130万円の壁=関係ない

社会保険の扶養になれます(失業手当等の金額によっては、もらっている間はなれません)。


税金は、「実際にもらった金額(過去)」で判断で判断します。

社会保険は、「これからもらう見込み金額(未来)」で判断します。


今まで収入があっても、これから無収入なら、対象になるのが社会保険です。


それなのに、「実際にもらった金額(過去)」で社会保険を考えて、

「あ、私は(社会保険の)扶養に入れない」

なんてあきらめているかもしれませんね。



違いはこれだけではありません。

「収入」といっても、失業手当を収入と考えるのか?

株式や投資信託の売却益、もらった保険金を収入と考えるのか?


「経費」といっても、税金の方では必要経費になるけど、健康保険の方ではならないものもあります。


その範囲が違います。

それなのに、103万円とか130万円とか言って、意味があると思いますか?


だから、この2つは絶対に同時に考えてはいけないのです。

収入とは何か、からはじめて、1つずつ、考えないと間違えます。



でも、「103万円」とか「130万円」とか、わかりやすいところだけ耳に残ってしまいます。

税金と社会保険は違う制度なのに、まるで同じような尺度で測れるんだと勘違いさせられているのです。


理由2
「130万円の壁」と「103万円の壁」を同時に説明されてしまうため、同じものだと思って記憶してしまうから。



問題点3
回答者を信じすぎている。


繰り返しになりますが、何の扶養のことを聞いているのか、それが重要になります。


「何の扶養」の話をしているのですか?

「税金の扶養」ですか?

「社会保険の扶養」ですか?



いや、両方の扶養のことを聞きたいんです。

なるほど、そうですか。


気をつけないといけないのは、「回答者」がこの質問をした時にわかっていない場合もあるという点です。


信じすぎて損をする場合があるということです。


例えば、会社の総務・経理担当者(給与計算などを行っている部署の前提ですが)にこの質問をして、ちゃんと回答が返ってくればいいのですが、それは正しい回答なのでしょうか?


あなたは両方のことを聞いているのに、相手は「税金の扶養」のことだけを教えてくれているかもしれません。


つまり、

「ああ、それだと『扶養』にはなれませんね」

こんな答えが返ってきたとします。


なるほど、税金の扶養にはなれないかもしれません。

でも、同じ条件だとしても、社会保険の扶養になれるとしたら?

あなたは社会保険で損をする可能性があります。


相手はウソはついていません。

「ああ、それだと『(税金の)扶養』にはなれませんね」

と言ったのかもしれません。


あるいは、税金の扶養と社会保険の扶養を正しく理解していない可能性もあります


その答えは、あなたが得たい答えになっているのでしょうか?


だから、「税金の扶養」なのか、「社会保険の扶養」なのか、もっと言えば、「勤め先の家族手当の扶養」なのかについて、予備知識を持っていなければ、その答えが正しいかどうか、判断ができないのです。


理由3
質問に「答える人」が正しい答えをしていない可能性があるから。


私が書いていることも含めて鵜呑みにするのはやめましょう。


基本的には、扶養になるかどうかは、税金なら税務署社会保険なら勤め先や保険協会・年金事務所などにお問い合わせください。


=======


2015年(平成27年)分の年末調整に関する記事をまとめています。

2015年年末調整特集

勤め先に提出するに、要チェックです!