この記事は、書庫のある家.comの「やってはダメ!家の持ち分を夫婦平等に分ける前に知っておきたい贈与税の知識」に移転しました。

自宅を購入をしたり新築をすると、不動産登記をします。自宅の所有者を登録する制度です。

司法書士の先生から「持分はどうしますか?」という質問を受けて、「夫婦のものなんだし、夫婦平等に1:1にしましょう」と妻から提案がありました。

さて、自宅の持分というのは、そんなに安易に決めていいのでしょうか?

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お金を出していないのに、たこ焼きを食べられたのはどうして?

例えば、友達のAさんが、600円の8個入りのたこ焼きを買ったとしましょう。

友達のAさんは自分で8個とも食べました。なんのおかしなこともありません。


でももし、Aさんが4個、あなたが4個食べたとしたらどうでしょうか?

あなたは1円も出していないのですから、Aさんから300円分のたこ焼きという価値を「もらった」ことになります。

まあ、それくらいのお金だったら、次のときはお金出すよ~、とかいっておけばいいわけですが、税金の世界では、こういう「価値をもらうこと」を「贈与」といって、贈与税という税金をかけるようにしています。

もちろん、一般的にはもらった金額が年間110万円までの場合には、贈与税はかかりませんので、300円ごときで贈与税なんて話をするつもりはありません。



夫婦平等だから1:1とか、そういう問題ではありません!

でも、自宅の持分になったら、話は別です。


この辺りについては、次の記事でも一度書いたことがあるのですが、なかなかイメージしにくいと思いますので、たこ焼きの話から書きました。

参考 収入合算で住宅ローンを借りる時に気をつけること


つまり、自分がお金を出していないのに、持ち分をもってしまうということは、「価値をもらう」、つまり「贈与」になるということです。


例えば、土地1,000万円、建物2,000万円の合計3,000万円の自宅があるとしましょう。

夫名義で住宅ローンを3,000万円組んだとしましょう。

3,000万円のお金を出すのは誰ですか?

ですね。

ということは、夫の持ち分を100%にするのが自然です。

逆に、妻が3,000万円を出したら妻の持ち分を100%にするのが自然です。



夫婦平等だから1,500万円ずつにしましょうなんて安易に考えていませんか?

1円もお金を出していないのに、1,500万円分の価値をもらったことになります。


1,500万円が贈与の対象で、計算上、

【平成26年まで】
(1,500万円-110万円)×50%-225万円=470万円

【平成27年以降】
(1,500万円-110万円)×45%-175万円=450万5千円

というバカみたいな贈与税がかかる可能性があります。

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知らないって、怖いですね~。


税務署は、不動産登記を見て「持ち分」を知ってますから、「こいつあやしいなぁ」と思ったら、お尋ねを送ります。

参考 家を買ったら税務署から「お尋ね」が来るの?


司法書士の先生は、税金のプロではありませんので、「1:1にしてください」と言ったら、そのようにしてしまいます(良心的な先生は税金のこと、大丈夫ですか?と聞いてくれるかもしれません)。

登記をする前に資金計画をもう一度確認しましょう。


あれ? 頭金を出していませんか?

先ほどの例は、専業主婦のがいる場合に見られる失敗事例です。

逆に、専業主婦だとしても、OL自体にコツコツ貯めたお金がある場合には、ちゃんとあなたは持ち分を持ってますか?


例えば、300万円をあなたが頭金として出して、残りの2,700万円を夫が住宅ローンを借りて出したとしましょう。

まさか、100%夫の持ち分にしていませんよね。

これまた多い失敗例です。


この場合はさっきとは逆で、夫が300万円分の価値をもらったことになってしまいます。

本当は、

あなた:夫=300万円:2,700万円=1:9

で持ち分を設定すれば、税金上は何の問題もなかったわけです。

持ち分は住宅ローンだけしか関係ないというのは誤解です。


税金の世界に「夫婦平等」なんて言葉はありません。

夫婦平等をどれだけ叫ぼうが、税金の世界では、「結局それは、誰のお金?」というのが大事です。

この辺りは、場面が少し違いますが、良くある例として、ぜひ、下記の記事をお読みください。

参考 なぜ夫が亡くなると預金口座からお金を引き出せなくなるのか?

「私の貯金は私のもの。ダンナの貯金は私のもの(?)」だと思っている方は要注意です(??)。


そもそも「自宅の持ち分」を持つことのメリット・デメリットは何か?


【メリット】
・夫も妻も十分な収入がある共働きを10年間続けられる場合には、住宅ローン控除の枠が1人ずつ与えられるため、借入額が多い場合には、1人で住宅ローン控除をするよりも多くなる可能性がある。

・離婚した時に持ち分が主張できる。


【デメリット】 
・住宅ローン控除を分散して受けることになるため、妻が収入ゼロになると住宅ローン控除が少なくなる可能性がある。

・自分が出したお金の分だけの持ち分にしていないと贈与税が課税される恐れがあります。

・売るときは相手の同意が必要なので、離婚するとけっこうもめます。


というわけで、個人的には、持ち分を考える方は、出したお金の分というのは当然なのですが、夫婦円満で2人ともフルタイムで働けるような場合に検討したらどうなのかな、と思うところです。

持ち分だって、ダンナが死んだら基本的に相続税がかからずに自宅は手に入るわけですから、生前に離婚する可能性がなさそうなら、いるのかなぁ、と思ってしまいます。

ご参考まで。