11月に新たに公表された国税庁(税務署の元締め)の某情報によれば、全量売電は全部売っぱらっちゃうんだから会社員でも課税対象だよという見解が示されました。

じゃあ、全量売電の場合、太陽光発電設備の購入に支払った消費税は、還付されるってことでしょうか??

簡単にできる方法ではありませんが、ちょっと考えてみました スポンサーリンク



その国税庁の消費税に関する見解を引用すると、

 会社員が自宅で行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。
 会社員が行うこの全量売電は、電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、課税の対象となります。
 となっています。
 
消費税は、ざっくりいうと年間売上が1,000万円の大台に行かない限りは納税の義務がない(免税事業者)ため、売電収入に消費税が課税されるよ、と言われたって、全く関係のない話です

ただ、そもそも消費税の課税の対象というのは、「事業」を行っている人が行う取引で、その「事業」とはなんぞやというときの根拠でよく裁判になるのは「反復、継続、独立」のキーワードです。

じゃあ、会社員でも太陽光発電については「事業」としてみていいということなんでしょうか。


(以下、専門用語のオンパレードです。どう考えても簡単に説明できないので、そのまま突っ走ります。申し訳ありません。)

そうすると、消費税では「課税事業者選択届出書」を出すことによって、消費税の納税義務を発生させることができます。

【1年目】
 太陽光発電設備
 5,400,000円(うち40万円が支払った消費税)

 売電収入
 540,000円(うち4万円がもらった消費税)

 納税義務がない場合
 納税義務がなければ還付される余地もないため40万円を払って終わり
 ただし、4万円は納付する必要がないため得
 差引36万円の負担

 納税義務がある場合
 申告により4万円-40万円=36万円が還付

 ※「課税事業者選択届出書」を期限までに出して消費税の確定申告をすることが要件

【2年目・3年目】
 売電収入
 540,000円(うち4万円がもらった消費税)

 納税義務がない場合
 納付しなくていいので4万円の得

 納税義務がある場合
 申告により4万円を納付

 ※2年目・3年目も申告をして納付が必要です。
   支払った消費税はないので、全額で見てます。
 ※消費税率10%になると増えます。
 ※100万円以上の資産(調整対象固定資産)を1年目に
   取得しているため3年目まで計算が必要ですし、簡易課税制度も
  使えませんが、4年目は「課税事業者選択不適用届出書」で
   納税義務を無効にできるので、3年目の間に出すのを忘れずに。

【4年目以降】

 その後の取り扱いはいずれも同じなので、割愛。

【合計】
 納税義務がない場合
   1年目  +40万円負担
   2年目      0円
   3年目      0円
   合計   +40万円

 納税義務がある場合
 (届出書を出して発生させた場合)
   1年目      0円(40万円還付)
           4万円負担
   2年目    4万円負担
   3年目    4万円負担
   合計   +12万円
   

つまり、3年間で見ると、40万円-12万円=28万円が還付された分だけ納税義務を発生させた方が有利ということになります。


とまあ、そんな話を税理士としていたら、税理士に頼む確定申告料とかも考えないとね~、とのことで、じゃあ、1回1~2万円でやってくれるならいいかな、とか、税務署に相談に行ったらタダじゃないの、とか考えてしまいました。

ちなみに還付された40万円を所得税でどう考えるかも大事です。

2年目の所得税の確定申告の時に雑所得で計上するんじゃないの?と私が気づかないところで面倒なことに気づいてくれました。

そうすると、さっきのシミュレーションでは225,000円に対する所得税と個人住民税分も考慮しないといけませんね。まあ、合計税率約15~30%の間でおさまるでしょうから、それでもまだ消費税の還付には魅力がありますね。


消費税が10%になったら、ますますバカにできない金額です。 


・・・国税庁の某情報を見ながらそんなことを思っていたのですが、あまりにマニアックですし、なんか税務署もちゃんと対応してくれなさそうな嫌な予感もするので、ここに書いたことを「自分ひとり」で実行するのだけはやめた方がいいということを注意点として書いておきます。専門家と相談して下さい。

ちなみに、所得税が「事業所得」になるかどうかは、国税庁の某情報その2の方は今回変わっていなくて、「原則雑所得」の姿勢は崩していないように思いますが、それもあって、消費税で課税対象と言っても、本当に課税事業者を選択していいのか個人的に懐疑的です。

 給与所得者がこの全量売電を行っている場合の売電収入も、上記と同様に、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当すると考えられます。

全量売電について、
消費税は「事業」と断言しているのに、
所得税は「事業」として行われている場合とそうでない場合を両方想定している。



そんな風に混乱しているのは私だけでしょうか??


最近は税理士の方や会計事務所の職員の方もアクセスしていただいているようなので、もし、専門家の方のご意見があれば、 コメントいただけますと幸いです

・・・まあ、我が家は余剰売電ですけどね。