長期優良住宅については、決断を迫られている方もいるのではないかと思い、前回の記事(それでも長期優良住宅の申請にお金を払いますか?)の続きを書くことにしました。

長持ちの家」というお題目ではなく、「お金の話」をしましょう

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制度についてはいつもお世話になっているkokkoさんが記事にされているので、私は具体例を書くことにします。

(参考記事)
kokkoさん
2013年、長期優良住宅にすべきかやめるべきか?volⅠ長期優良住宅認定のメリット

長期優良住宅の住宅ローン控除はお金持ちだけにメリットがあるのか?


長期優良住宅の固定資産税は高い?
 


kokkoさんの記事の中で書かれていますが、「シミュレーション」が大事です。

これはハウスメーカーの営業さんなど人任せにできない部分(=自己責任)です。

あ、私は申請するときにしなかった(反省)ので、これから申請を検討されている方は是非ともシミュレーションしてみてください。

したがって、この計算例の有利不利を見て、決めないでください。

有利か不利かは条件次第です。

あくまでも「あなた」がどうかが判断材料です。



 住宅ローン控除(所得税・住民税)の優遇

(1)2012年版 ローン限度額4,000万円 控除率1%(最大年40万円×10年)
  2013年版 ローン限度額3,000万円 控除率1%(最大年30万円×10年)

(2)もう1つの限度額
  年末調整後の所得税+97,500円(住民税から控除できる限度)

(1)と(2)のうち小さい方があなたが控除できる最大額です。

【自分でシミュレーションするときのポイント】
所得税は、源泉徴収票に書いてあります。
年末調整後の数字に97,500円を足してとりあえず考えてみてください。
これは普通の住宅ローン控除を考えるときも大体同じです。

住宅ローン控除の計算は下記のサイトが役立ちます。
シミュレーションの画像も下記の計算結果です。

Catch Up|住宅ローン控除(シミュレーション)
http://buy.catchup-j.com/jloan/calc/loan/kojo.html


【具体例】
年収600万円モデルの場合(kokkoさん記事を参照)
所得税171,900円+住民税97,500=269,400円

住宅ローン条件:3,000万円、年利2%、35年、4月返済開始

<一般住宅>
  一般住宅ローン控除
⇒平成25年入居(一般住宅)は、ローン限度額が年20万円で頭打ちです。
 269,400円の範囲に収まっていますので、10年間で200万円が控除できます。

<長期優良住宅>
  長期優良住宅ローン控除
⇒平成25年入居(長期優良住宅)は、ローン限度額が年30万円で頭打ちです。
 そのため、一見すると全部控除できるように思えますが、最初の5年間は269,400円の範囲に収まっていない(頭打ち)ので、269,400円×5年間+6年目~10年目の計=10年間で約260万円が控除できます(それほど影響がない事例です)。
  
<比較>
一般住宅    : 200万円
長期優良住宅 : 260万円 ⇒ 60万円おトク


(注)平成25年度税制改正で平成25年分から住宅ローン控除が拡充されてローン限度額が増えると、その差は減ると考えられます。


 所有権保存登記の税率(登録免許税)の優遇
家を建てると登記が必要になりますが、この登記を「所有権保存登記」と言います。

長期優良住宅の場合、原則、固定資産税評価額×0.15%のところが0.10%に優遇されます。

【自分でシミュレーションするときのポイント】
・「固定資産税評価額なんて知らないよ!」と思われるかもしれませんが、新築建物場合、建物本体価格の6割が目安と言われています。まあ、建物工事請負契約書の消費税も含めて総額の60%で考えてみてください。

【具体例】nerona家の場合
ハウスメーカー:一条工務店
商品:i-cube
建物本体価格:約2,300万円
床面積:約34坪
固定資産税評価額(目安):2,300万円×60%=1,380万円

<一般住宅>
1,380万円×0.15%=20,700円

<長期優良住宅>
1,380万円×0.10%=13,800円 ⇒ 6,900円おトク 

・・・ゼロ%でいいじゃん


 不動産取得税の税率の優遇
家を建てると不動産取得税を払わないといけないのですが、住宅用建物は次の計算式で計算します。
 
一般住宅   :(固定資産税評価額-1,200万円)×3%

長期優良住宅:(固定資産税評価額-1,300万円)×3%

【自分でシミュレーションするときのポイント】
「固定資産税評価額は建物本体価格の6割でどうぞ。


【具体例】
nerona家の場合
ハウスメーカー:一条工務店 商品:i-cube
建物本体価格:約2,300万円 床面積:約34坪
固定資産税評価額(目安):2,300万円×60%=1,380万円

<一般住宅>
(1,380万円-1,200万円)×3%=54,000円

<長期優良住宅>
(1,380万円-1,300万円)×3%=24,000円 ⇒ 30,000円おトク 

・・・惜しい!1,400万円控除されていればゼロでしたね。

 固定資産税の軽減期間の延長の優遇
建物の固定資産税は、床面積のうち120㎡(約36坪)までが1/2に軽減されます。

この軽減期間が一般住宅と長期優良住宅で異なります。

一般住宅   :3年間
長期優良住宅:5年間

<120㎡(約36坪)以下の場合>

固定資産税評価額×1.4%×1/2

<120㎡(約36坪)を超える場合(例:150㎡(約45坪))>

(1) 120㎡までの部分
固定資産税評価額×1.4%×120㎡/150㎡×1/2

(2) 120㎡を超える部分
固定資産税評価額×1.4%×30㎡/150㎡

(3) (1)+(2)

【自分でシミュレーションするときのポイント】
・「固定資産税評価額は建物本体価格の6割でどうぞ。
 
【具体例】nerona家の場合
ハウスメーカー:一条工務店
商品:i-cube
建物本体価格:約2,300万円
床面積:約34坪(120㎡の範囲内)
固定資産税評価額(目安):2,300万円×60%=1,380万円

※単純化のため、固定資産税評価額は5年間変わらないとします。
(本当は価値が下がりますが、そもそもの金額が仮ですので・・・)
都市計画税はこの優遇の対象外のため、下記の比較では無視します。

原則 1,380万円×1.4%   =193,200円

軽減 1,380万円×1.4%×1/2 =  96,600円

<一般住宅>
96,600円×3年間+193,200円×2年間=676,200円

<長期優良住宅>
96,600円×5年間=483,000円 ⇒ 193,200円おトク 


【税金比較まとめ】

 住宅ローン控除(所得税・住民税)の優遇      600,000円
 所有権保存登記の税率(登録免許税)の優遇      6,900円
 不動産取得税の税率の優遇                30,000円
 固定資産税の軽減期間の延長の優遇         193,200

                              計 830,100円


「え? 長期優良住宅いいじゃん

と思いがちですが、これを見てわかるのは、

「住宅ローン控除」にかなり左右されるということです。

(つまり、喜ぶのはまだ早いということですね。あと、維持保全はしっかりやらないといけないので、あとあとのコストはありますよ。)


例えば、ローン金額2,000万円、年利2%、返済期間20年、返済4月開始ですと、一般住宅と長期優良住宅との差は、

 住宅ローン控除(所得税・住民税)の優遇          0円
 所有権保存登記の税率(登録免許税)の優遇      6,900円
 不動産取得税の税率の優遇                30,000円
 固定資産税の軽減期間の延長の優遇         193,200

                              計 230,100円

となり、思ったように差が広がらず、長期優良住宅の申請費用と同じくらいになりそうですね


(参考)その他、長期優良住宅が出てくるお金の話

 住宅取得等資金の贈与の特例
両親や祖父母から住宅購入・建築のお金を贈与してもらったときに贈与税の非課税枠を通常の非課税枠110万円に上乗せできるというものです。

2013年は一般住宅が700万円上乗せ(計810万円非課税)省エネ住宅が1,200万円上乗せ(計1,310万円非課税)です。

この省エネ住宅は、長期優良住宅はもちろん、
・省エネルギー対策等級4相当以上であること
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上であること
・免震建築物
 
のどれかを満たせばOKなので、長期優良住宅でなければならない理由はありません。

そもそも810万円を超えなければまったく意味のない話です。

一条工務店の家の場合、標準仕様でクリアしています。

※ちなみにこの制度、お金に限りますから、「土地」の贈与はダメですよ


 フラット35Sによる金利優遇(注:2012年10月31日申込終了)
固定金利でフラットを検討している場合には、金利優遇がありましたが、「長期優良住宅」でなくとも他の要件を満たせば受けることができます。

我が家も適用しましたが、長期優良住宅だから適用できたのではなくて、一条工務店の標準仕様が他の要件を満たしたからのようです。

そもそも変動金利やほかのローン商品の場合は不要な話です


何度も書きますが、最低限、「住宅ローン控除のシミュレーション」はやってくださいね。

(参考)
 i-smartで行こう!|あなたは申請しますか?長期優良住宅の自分なりの結論

 i-smartで家づくり|長期優良住宅の税制優遇