同じ30代でも「年金格差」がはじまっている?

60代と30代の間には、世代間の年金格差があると言われています。

まあ、これは今回の目的ではないので書きませんが、問題はそこではありません。

同じ「30代」の中でも年金格差があるということです。

「20代」の方にいたっては、その格差はもっと広がることでしょう。


正直、この話をしてもあんまりピンと来ないと思うのですが、5年後か10年後にはたぶん、「あのときneronaとかいう人が言ってたのはこのことだったのか・・・」と思っていただける話題だと思います。

まあ、「よくわからん制度」の話をするので、読むかどうかはおまかせします。 スポンサーリンク


国も会社も年金は用意できなくなっている。

なんとなくおわかりのように、国も会社も年金の保障ができなくなっています。

国の運営する年金は破たんをする代わりに、「もらえる時期の先送り・金額の引下げ」と「税金投入(消費税率引上げ)」で生き延びていることは見ての通りです。

会社の企業年金(確定給付年金)などは会社の大きなマイナスの財産になってやってられないので、今後も期待できません。退職金がない会社があるのも、退職金が実質的な老後保障一時金で、それを負担するなんてやってられないからです。


今までは、国も会社もあなたの老後の生活も支えます、と言っていて、将来のことなんて気にせず働いていれば年金はもらえたので、「同じ世代間」の老後の格差はまだそれほどではなかったように思います(それでも格差はたくさんありますが)。

今後は、ゼロではありませんが、一部減額されることでしょう(2~3割カットという話は良く出ます)。

ただ、自分で年金の代わりを用意するとなると、自分(または妻・夫)が60歳~65歳のどこかで仕事を辞めるまで、何らかの形でお金を運用していく必要があります。

というわけで、国は自分で年金代わりを用意する手段の1つとして、確定拠出年金を用意しました。

会社が制度を用意してくれることもあれば、用意してくれなくても自分で直接口座を開いて運用ができる制度です。

【メリット1】 掛け金を払うと税金・社会保険料が節約できる。

最初に良い話をします。

例えば、30歳で年収540万円の方(良い給料もらってますね!)が月3万円(年間36万円)払うと、所得税・住民税・社会保険料を合わせて年間99,100円の節約になります(参考:ろうきん 「選択制確定拠出年金の税金・社会保険料軽減効果」確認シミュレーション)。
確定拠出年金 前提条件
確定拠出年金 結果
なぜ税金が節約になるかというと、払った全額が税金がかからない控除の対象になるんですね。


これ、個人年金保険をかけている人にとっては目玉が飛び出るくらい「うそ~~」な制度だと思います。

個人年金保険は控除限度額が4万円ですからね。

確定拠出年金は払った全額なので今回は36万円です。

これができたことによって、個人年金保険の魅力がかなりなくなりました。


そうすると、所得税と住民税の節税に大きく役立ちます。


また、私の場合は会社が制度を用意してくれる「企業型」の確定拠出年金なので、例えば月の給料が30万円だとすれば、3万円は給料ではないもの、つまり27万円をベースとして社会保険料を計算します。

社会保険料は4月から6月までの給与をベースに計算するため、30万円を基に計算するのと27万円を基に計算するのとでは、当然、結果は違いますから、社会保険料も安くすませることができます。

厚生年金保険料はともかく、「健康保険料」はある意味、掛捨て保険ですから、少ない方がありがたいですね。


【メリット2】掛け金を払うと「保育料」も節約できることがある。

あんまり誰も言わないですが、我が家は2人分払っているのでこのメリットが大きいです。


ちなみに、さっきの99,100円には、保育料の節約は入ってません。

平成27年度から「住民税」をベースにして計算するようになったわけですから、住民税が減れば、保育料も節約できる可能性がありますね。

住民税については、そのまま給与として受け取った場合は「235,100円」に対して、確定拠出年金に加入すると、支払った分が節税になるため、今回は「211,400円」になっています。

住民税は都道府県民税(4%相当)と区市町村民税(6%相当)にわかれるので、保育料の基礎になる区市町村民税は住民税の6/10相当だとすると、

235,100円⇒141,060円
211,400円⇒126,840円

でしょうか(違うかもしれません)。

東京都大田区の保育料の料金表で見てみると、「区市町村民税」が0,1,2歳児クラスの保育料(月額)は、「月23,100円」から「月18,400円」に4,700円減るかどうかのあたりです。(´Д` )

今回は残念ながらギリギリ範囲内で変わりませんが、もう少し住民税が減ったら年間56,400円保育料が安くなります。
保育料
※保育料の計算は自治体によってローカルルールがあるように思いますので、自分の住まいの市区役所や町村役場に確認することをおすすめします。

まあ、保育料については、階層がたまたま変わるところにないと意味ないじゃんということもあるので、この場合はラッキーですね!(これをコントロールするのはかなり無理があるので結果的に安くなる場合がある程度に思っておくとよいかと思います)


結果として、年間で36万円払っているのですが、155,500円(=99,100円+56,400円)だけ税金・保育料・社会保険料が減っているため、実質的には、実質負担は21万円程度となっています。


【メリット3】運用益は非課税、受取るときも優遇

老後のために長期で運用するのですが、その間の運用益に税金はかかりませんし、受け取るときも優遇されています。

NISAも運用中は非課税ですが、5年ごとに入れ替えが待っているのに対して、確定拠出年金はありません。

受け取るときは大体20%の税金がかかりますが、確定拠出年金は退職金や公的年金のように優遇されています。


そんなうまい話、あるの?

「おいおい、なんでそんないい制度、誰も教えてくれないんだよ!」

「そんなうまい話があるはずがない。なんでみんなやってないんだ!」

というご意見はごもっともで、このようなメリットがある一方、見逃せないデメリットもあります。

【デメリット1】 確定拠出年金は「よくわからん」

これが最大のデメリットというか、誰も選ばない1つの理由だと思います。

会社が用意してくれる場合であっても、会社の担当者もよくわかっていないことが多いです。

でも、この制度を導入しようとしている会社は良心的な方です。

ほとんどの会社は「そんなの知らん」と制度導入の検討をしていないように感ずるところです。

個人が自分で入ることもできますが、たぶん、それもよくわからんので考えたこともないでしょうね。

そもそも確定拠出年金自体が十数万人くらいしかやっていないことが、それを裏付けています。

でも、その十数万人に入っているかいないかで、30年後に全然違う結果があるように思います。

もう少し普及していくと、もっとわかりやすく説明する人が増えてくると思いますが、まだまだですね(テレビとかで)。

【デメリット2】60歳まで引き出せない。

これは確定拠出年金のデメリットとしてよく挙がりますが、老後の備えのためにやっているので、引き出せなくて当たり前ではないでしょうか?

ただ、結婚資金・住宅購入費・教育費など、まとまったお金が必要になる時代を迎えている人は、まとまったお金を60歳まで引き出せないというリスクがあることは、知っておいた方が良いですね。

そういうお金を非課税で運用したいなら、NISAかもしれません。

あくまで老後のために備える年金です。

【デメリット3】運用結果は自己責任。

これも大きなデメリットとして言われます。

確定給付年金や個人年金保険は、「もらえる金額が確定」している一方、確定拠出年金は「払う金額が確定しているだけでもらえる金額は自己責任」です。

だから、「もらえる金額が確定」している方がいいじゃないか!というのは気持ちとしては理解できるのですが、インフレになった時に損をする点が問題です。

つまり、100万円もらえる約束をして物価が上昇した結果、今は100万円で買えるものが120万円払わないと買えなくなっていたら、その分だけ、実は価値が目減りします。

確定給付年金と個人年金保険の問題点は、インフレに弱い点です。

一方、確定拠出年金は自己責任なのですが、投資する商品の選び方によってはインフレに対応することができます。

まあ、そういいながら、現在やっている十数万人の方の大半は「元本保証型の預金」に投資しているので、全然意味がないだろ、と思わざるを得ません。

もちろん、増える可能性もあれば減る可能性もあるので、投資する商品の選び方によっては、掛け金を下回ってしまう可能性もある点は、デメリットなので、投資に対する教育の必要性が出てきます。

皮肉なことに、その投資教育がメンドウだと二の足を踏む会社は多いです。

【デメリット4】手数料がかかる。

金融商品の選び方の鉄則は、「銀行や証券会社が儲からない商品を買う」ということです。

大体、銀行や証券会社がすすめてくる商品は、「自分たちが儲かる商品」です(ビジネスですから)。

銀行がすすめてくる投資信託は1つもいいものがありませんし、仕組債は最悪の投機です。


例えば、インデックス投資というものをご存じの方は、いかに手数料が少ないかが大事であるかをご承知かと思います。

年0%にいかに近づくかでインデックス投資ブロガーさんの記事なんかを参考にしています。

手数料が少ないということは、売り手にとってはおいしくない商品ということです。

もし、手数料収入がバンバン入る商品なら、積極的に宣伝しますが、確定拠出年金は手数料が低く設定されているので、そうはなりません。

インデックス投資並みに手数料が少なく設定されているものが多いためです。

ただ、少ないといっても手数料が取られることには変わりありません。

会社が用意している場合は、手数料を必ずチェックしましょう。

高いのはやる必要ないです。

会社がやっていなかったり自営業の方は、証券会社の中でまともにやっている「SBI証券」はいいでしょう。

多くの方が候補に挙げているように、手数料が安いです。

外部 SBI証券 確定拠出年金積立プラン(個人型401K)

私は会社が用意しているものなので選択の余地がないのですが、手数料がSBI証券の商品に比べて少し高いのが気になってます。。。

【デメリット5】まだ制度が未完成。

これは現実によく聞くデメリットです。

既に会社が用意した確定拠出年金をはじめた方の中には、転職や退職をした時に手続きで相当困ったという方もいます。

残念ながら、まだ制度が未熟というか未完成です。

数年の間に今の会社を辞める予定がある人は、待った方がいいでしょう。

しかし、このデメリットも順番に解消されています。

そのため、自営業の方や会社をしばらく辞めない人は特に影響はないでしょう。

対象外だった公務員や専業主婦・主夫も対象となりますが、専業主婦・主夫の場合は、そもそも掛け金を支払う時の節税メリットがない(税金も社会保険料も払ってない場合)点は、ご注意ください。

【デメリット6】特別法人税がかかる?

最後に、たぶん1番よくわからんと思いますが、確定拠出年金には、「特別法人税」というものがかかります。

なんで法人税?ということですが、まあ、そういうのがあります。

現在は凍結されているのでかかっていませんが、もっている資産に対して年率1.173%の税金がかかります。

バカにできないコストです。

まあ、これを解除したらいろいろと問題があるので、そう簡単にはできないはずですし、解除する前に金利が上昇していると思いますが、読めないという意味ではデメリットです。


確定拠出年金をするかしないかは自由。しかし、知った上で選択を!

ここまで読んで、確定拠出年金をしないといけないとかそういう話ではありません。

よくわからん話を聞いただけだったことでしょう。

年金格差がつくというのもまあ、結果論ですから、インフレが起こらなかったり、運用がうまくいかなければ、やらなきゃよかった!となってもおかしくありません。

・・・しかし、大事なのは、

「知っていて選ばない」



「知らないで選ぶことすらできない」

は、天と地ほどの違いがあるということです。


そういう制度もあるんだね、でも、自分には合わないから使わない、というのも自己責任だからありえますが、知らなければ自己責任以前の問題です。

「知っていればやったのに!」

と30年後に気づいても遅いのです。

そのときから運用なんてはじめられません。


今は節税の側面ばかりが強調される制度ですが、本質的には国や会社がもう老後の備えを支えるのは無理だと一部あきらめているメッセージなのです。

このメッセージをちゃんと受け取って、自分で自分の老後を守る方法をよくお考えください。

確定拠出年金だけが唯一の方法ではありません。

ただ、「勉強しないと損するよ」というのは、いつの時代も同じです。

願わくば、どんな方法でもいいですから、30年後、40年後に笑って暮らせる老後が皆様に来ることを祈るばかりです。

不安を貯めずに、賢くお金を貯めましょう!


私は今のところ明るい老後のためにコツコツ貯めて、あとはほったらかしで運用してます。


ほったらかしが可能になる運用方針については長くなるのでまた別の記事で。